もしも地球の自転が止まったら、そのとき何が起こるのか
2018/06/05

地球は1日で1回転、自転していることは誰もが知っている事実です。この自転が、もしも止まったらどんなことが起こるのでしょうか。
実は、地球の自転するスピードはとんでもない高速。そして、その上にいる私たちも一緒に移動しているのです。
もしも地球の回転だけが止まったら、地表にあるすべての物が吹っ飛んでしまう?
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この記事の目次
地球の自転は超高速。もし、それが止まったら…?
地球が常に自転していて、それがとても高速であるということは多くの人が理解しているでしょう。
具体的な数字であらわすとどのくらいのスピードなのでしょうか。
ざっくり計算すると、地球の外周は1周およそ4万㎞。1回転に24時間かかるということは…。
4万÷24=約1666です。
つまり、時速にすると1700㎞。新幹線の7倍もの速さ、と言われてもよくわからないかもしれませんが、とにかく猛スピードであることは理解できます。
地上ではコマなどを回転させると徐々に遅くなってやがて止まってしまいますが、地球の自転が止まってしまうことはないのでしょうか。
ありえないとは思いますが、もしそうなったらを想定すると…。
朝、昼、晩がほぼ変化しなくなり、朝の地域は朝のまま、夜の地域は夜のままということになります。
自転は止まっても、公転はしているとすると1年の半分は日中で、残り半分は夜となります。
昼側は気温が上がって乾燥し、灼熱の世界に。夜の側は寒く凍てついた世界になるでしょう。
地球の自転が止まったら、その瞬間何が起こるのか
高速で自転している地球、いきなりその回転がとまってしまったら。
その瞬間、想像を絶する猛烈な風が地表を覆い、全ての物が吹き飛んでしまいます。
空気も吹き飛ばされるということです。
赤道付近なら秒速で165m。北緯37度付近の高緯度でも秒速368mもの風が吹き付けます。この速度は原子爆弾の爆風をはるかに超えるスピードで、地表の生物が生き残る確率は限りなくゼロに近いでしょう。
自転のおかげで繰り返される昼と夜は無くなり、灼熱地帯と極寒地帯に分断されてしまいます。
さらに恐ろしいのは自転が無くなると地球の磁気も失われます。
磁気は、通常の状態であれば宇宙空間から絶え間なく降りそそぐ太陽からのプラズマ(太陽風)を遮ってくれています。
磁気がなくなると地球上の全てが高い濃度の放射線にさらされ、生物が存在できなくなってしまうでしょう。
地球の自転が止まったら、そして逆回転を始めたら?
地球の自転が止まっただけで、地表はすでに地獄です。
では、その次の瞬間に逆回転を始めたら?
地表にあるものは、それまでの回転方向に移動しようとする力が働いたまま、地球は逆に回転する。つまり、全ての物が時速3600㎞という途方もない速度で吹っ飛ばされてしまいます。
さらに、磁場は逆転し、太陽は西から上り東に沈むようになるのです。
動物の中には、磁場を感知する能力を使っているものがいます。そんな動物たちは次々と命を落とすことになるでしょう。
膨大な力がかかった地殻も割れるなどの影響が出ると考えられます。
気象や海流も乱れ、偏西風は逆に吹き始めます。気候も一変することでしょう。
もし、地球の自転が最初から今とは逆だったとすると、森林地帯と砂漠地帯は逆になっていただろうという予想もあります。
ちなみに、地球の長い歴史のなかで自転が止まったことは一度たりともありませんが、地球が誕生したころと比べると自転のスピードは随分遅くなっているのです。
生まれて間もない地球では、1日がたった6時間しかなかったと試算されています。
地球の自転スピードは一定ではない
地球の自転するスピードは、ごくわずかではありますが遅くなっています。
その理由は主に「潮汐摩擦」(月の引力で起こる潮の満ち引きで、海水と海底に摩擦が起こる)によるものです。
ただ、20年程度のスパンで見た場合は、地球の核や海水と陸地の分布などの変化によっても影響があり、自転スピードが遅くなるペースは一定ではありません。
19世紀の100年間、地球が1回自転する「1日」を「24時間」と定めましたが、1990年頃には、1日が24時間と2ミリ秒(1ミリ秒=1000分の1秒)ほどでした。
100年で2ミリ秒遅くなる状態が一定に続くとすると、5万年後には1秒、1億8千万年後には1時間も1日が長くなってしまうことになります。
しかし、2003年の段階では24時間と1ミリ秒で1自転しており、1990年頃よりも早まっているというのです。
地球がもしも○○だったらを考えてみる
地球の自転が止まったら
赤道付近に立っている人を宇宙から見た場合、地球の自転と同じく時速1700㎞近いスピードで移動しているということになります。
そこである瞬間に地球の自転が止まったとすると…。
電車に乗っているときに、急ブレーキをかけたときと同じく人間の移動も止まることになります。
しかし、風(空気の流れ)は止まることなく時速1667㎞(秒速463m)の強風が吹き荒れることになり、地球上のあらゆるものが吹き飛ばされることでしょう。
地球の反対側までトンネルを掘ってボールを投げ入れたら
可能かどうかという問題は考えず、北極から南極に一直線にトンネルを掘ったとしましょう。
北極側の穴にボールを放り込むと、ボールはどんな動きをするでしょうか。
南極の穴に向かって落ちて行ったボールは、どこかの地点で北極側への落下を始め、行ったり来たりするはずです。
空気抵抗があると考えれば中心でボールが止まってしまうことになるでしょう。